映画『ビューティフル・マインド』あらすじ・解説・レビュー

こんな方へ

・大きな失敗や不運により悩んでいる人
・何もかもが嫌になっている時
・将来に不安を感じる時

〔 こんな方は控えてください… 〕
・サスペンスやスリルだけを求めている人

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作品情報・あらすじ

  • 作品名(原題):ビューティフル・マインド(A BEAUTIFUL MIND)
  • 制作年度:2001年
  • 上映時間:134分
  • 監督(制作国):ロン・ハワード(アメリカ)
  • 主な受賞歴:アカデミー賞(作品賞・監督賞・脚色賞・助演女優賞)

特別な才能と欠点を持つ「天才数学者」の数奇な半生

時は1947年、主人公のジョン・ナッシュはブリンストン大学の数学科に入学。

「この世の全てを支配できる理論を見つけたい」という壮大な展望を持っているジョンは、周囲の目線も気にせずひたすら研究に没頭します。

研究以外に一切の興味はなく、人付き合いが苦手な彼は「変人」と罵られ、心を許せる唯一の友人はルームメイトのチャールズだけでした。

自分自身のことを誰よりも賢いと思ってながらも結果をだせずに苦しい日を送ったジョンだったが、ふとしたことがきっかけとなり彼がしてきた研究はついに結果として結びつく。今や経済分析など広い分野で欠かすことのできない「ナッシュ均衡」を発見するのでした。

その成果が認められたジョンは、ウィーター研究所という軍事施設に従事することになります。
配属直後、モスクワから傍受した膨大な量の暗号の解読を指令され、誰も解けなかった暗号を彼は瞬時にして解読するのでした。すると、それを認められたのか”諜報員”と名乗るパーチャーという男からソ連の極秘の暗号解読を依頼される。その頃から、ジョンが持つ天才的な解読能力は一挙に解放され始めるのです。

その頃、講師としての仕事を請け負っていたナッシュはある日生徒のアリシアと出会います。
そして、惹かれあった二人は次第に結ばれていくのでした。

天才的な頭脳に加え、美しく立派な妻まで手に入れた彼の人生は順風満帆に回り始めたと思ったのだが…

本作『ビューティフル・マインド』はアカデミー賞でも4部門(作品賞・監督賞・助演女優賞・脚色賞)を総なめにした名作。統合失調症に苦しみながらも研究を続け、1994年にはノーベル記念経済学賞を受賞したジョン・ナッシュと苦難の中で彼を支え続けたアリシアの半生を描いた感動の実話。謎に包まれた少しスリリングな描写もありながら、勉学への情熱。奈落と栄光。苦悩と友情。葛藤と愛情など、人間の深みや人生の壮大さが感じられる不朽の超大作です。

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解説・レビュー ※ネタバレ含む

未完成であるが故の人間の魅力

本作は、ある種いくつかの”矛盾”が絶妙に組み込まれて構成されています。

「天才」的頭脳を持つ人間が、ありもしない「幻覚」に騙される
「栄光」を手にした人間が「奈落」へと落ち、再び「栄光」を手にする
「学問」にしか興味がない人間が、「愛」や「友情」に救われる
「人間」最も興味を持たない人間が、最期に周囲からの「敬愛」を手にする

など、相反して存在するものが何かをきっかけとして結びつくこと。
その”矛盾”こそが本作の魅力であり、また決して測ることのできない『人生』の壮大さでもあるのです。

中盤より、天才的知性を持つ、ジョン・ナッシュはある時から統合失調病に苦しめられます。

元々彼は承認欲求が人一倍強く、自らのことを誰よりも優れた知性を持っていると思い込むほどの人物でした。
事実、彼と同じく奨学生(優秀者)として入学したマーティン・ハンセンとゲームで勝負し負けた時、その現実を受け入れられないほどのプライドを持っています。

承認欲求の強さが、統合失調病と繋がっているのかどうかは定かではありません。

しかし、皮肉なことにもジョンにとって唯一の理解者であるチャーリーと、ジョンの特殊能力を誰よりも評価し極秘任務を与えていたバーチャーは2人とも彼の尽くし出した幻覚だったのです。

優れた知性という天物を与えられ誰よりも努力をし続けてきた人間が、在りもしない存在により自らの中だけで苦しみ続ける。なんて悲しい運命でしょう。

しかし、これで終わらないところが人生の面白いところ。

病気にかかり多くを失うことで、今までは決して得ることのないものを手にします

それは「愛」や「友情」。そして史実に残るほど「尊敬」の眼差し。
つまり、人の感情です。

なぜでしょうか?

確かな功績と絶対的な実力を持って追い求めたものが追い求めれば追い求めるほど離れていったにも関わらず、転落の人生を歩み絶対的な「弱者」になるが故に近づいてきたのです。

それは、人間の「弱さ」こそが他者の共感を引き出すから。

利益を求めず、学問に「無心」で全てを捧げる姿が人々の胸を打ったからなのです。

人には、未完成がある故にある魅力があるということです。

本作「ビューティフル・マインド」によりジョンの人生が映画化されたことも含め、結果的に彼は学問の功績以上のことを世界に残しました。

勿論、学問の功績なくては世界からの注目を集められなかったでしょう。
しかし、彼が残した「ゲーム理論」を説明できる人はごくわずかだと思います。
でも、彼の生き様を語れる人は世界中に多く存在するはずです。

ジョンがノーベル賞を受賞した際、彼は最愛の妻アリシアに感謝の言葉を述べました。
多くの苦難を乗り越えられたのは、妻の愛のおかげだと。

取り憑かれたかのように学問的だった人間が、学問の表彰の場で愛の言葉だけを述べたのです。

人の記憶に残るものは、「何をしたか、語ったのか」ではなく、その時に「どんな”感情”を持っていたか」といことなのです。

人とは違う立場を手にした時、何か優れた功績を残した時、どうしても人は奢りがでます。
それが如何に愚かなことかわかりますね。
また、人生のどん底まで落ちたと思っても、実はそれは”始まり”なのかもしれません。

決して人の尺度では測ることのできない人生のスケールの大きさを感じます。

何が起きたって、長い人生を悲観的に決めるける必要なんてないのです。
辛いことが起きている人にも「少し頑張ってみよう」と思わせてくれる、優しい作品です。

綿密な伏線からわかる幻覚の恐ろしさ

そもそも、ジョンが苦しみ続けた「統合失調病」とは?

統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。

http://www.byouin.metro.tokyo.jp/matsuzawa/dictionary/tougousittyousyou.html

これは、すべての人間に平等に起こりうる病気です。
具体的に、ジョンに見える幻覚は以下3名です。

・チャールズ:ブリンストン大学のルームメイト。ジョンの唯一の理解者でもある。
・パーチャー:ウィーラー研究所で出会った諜報員。ジョンに極秘任務を依頼。
・マーシー :チャールズの姪っ子。事故死した妹夫婦の娘を引き取ったとのこと。

ジョンが統合失調病であることは作中の中盤からわかりますが、思えば作中には彼らが幻覚であることを決定づける要素がいくつも隠れていました。

◼︎(ジョンを除く)他者との会話がない
思えば、チャールズもパーチャーも、ジョンを除く他者と会話しているのを見たことがありません。しかし難しいのは、幻覚であるチャールズとマーシー(姪っ子)が同時に登場することで「チャールズ以外との会話がない=幻覚」という方程式が崩れるということ。

◼︎幻覚者による物理的な作用は起きない
前編、酒場でチャールズが去っていくときもそうです。誰か他の人がドアを開けたタイミングでチャールズが出て行き、自分でドアを開ける(物理的作用が起こる)動作は絶対に行いません。

◼︎動物が反応しない
上記の物理的作用が発生しないということに伴いますが、極めつけは学内の芝生でマーシーが遊んでいるシーンです。たくさんいる鳩の中に入り駆け回っているにも関わらず、鳩は驚く仕草や飛んで逃げるという仕草を一切行いません。

◼︎時間が経っても身体が成長しない
これがジョンが幻覚だと気づくきっかけとなったものです。
一番明確なことではありますが、それすら天才学者であろうと意識しなければ気づかないが怖いところです。

私は、作品を2度見ることで初めて気づきました。
ジョンが統合失調症になっていることすら知らなかった1度目は勿論気づくはずがありません。

現実も同じでしょう。
私たちは、日常生活で接することをに対して予想以上に関心を持っていない

もしかしたら、気づいていないだけで、私たちの日常の中にも不自然なことは起きているかもしれません。

「ジョン・ナッシュ」の人生 映画と事実の相違

なんと言っても気になるのが実在するジョン・ナッシュについて。
映画では多くの部分が省かれていますが、彼はその後どのようにして過ごしているのでしょうか。

出典: http://2.bp.blogspot.com

ここでは、映画と事実の違いと、彼のその後について触れていきます。

描かれていない事実1:ジョンとアリシアは離婚していた

ジョンとアリシアの結婚生活について。昨中では、アリシアがジョンのことを一生涯支え続けたように描写されていますが、実は2人は1963年に離婚しているのです。しかし、離婚はしたもののアリシアはジョンのことを自宅で看病を続けていたという話もあります。
その後、2001年に二人は再婚。ジョンは1928年生まれのため73歳に再婚したということになりますね。ちなみに、ノーベル賞を受賞したのが1994年です。

描かれていない事実2:一途多難な夫婦生活

ストーリーラインからずれるため作中には描かれていませんが、実は、アリシアとの子供以外に、ジョンには他の女性との子供もいたとのこと。また、彼は同性愛者で複数のパートナーがいたとの話もあります。
闘病生活を除いても一途多難な夫婦生活が送られていたことが想像されています。

映画のその後:ジョンナッシュとアリシアの最期

2015年5月23日、ニュージャージー州のタクシー事故にてジョン(86歳)とアリシア(82歳)は2人同時に死亡しています。

彼の死を受け、多くの人が悲しんだ。メディアは「20世紀の最も偉大な理論の創始者であり人間勝利の象徴が私たちから去った」と発表。本作でジョンを演じているラッセル・クロウも「ジョンとアリシアは驚異的なパートナーだった」と述べた。

如何でしたか。事実をモデルとした伝記に批判はつきものです。
本作もノーベル賞を多数受賞し賞賛されると共に、「歴史修正主義の作品」と批判する声も多々上がっています。

映画とは異なる事実を知ることで、悲観的にとらえる方もいるかもしれません。

結局、本当のところの真実は2人にしかわかりません。
大事なことは、これを受けた私たち自身が明日に向かう糧にできるかということ。
私も、他人の人生を評価する側ではなく、世間の関心を集められるくらい影響力のある人間になりたいものです。

ちなみに、ジョン本人は同映画を自身の人生を基にした「芸術的な」解釈としています。

受賞歴

アカデミー賞(2002)

作品賞・監督賞・脚色賞・助演女優賞

ゴールデングローブ賞(2002年)
主演男優賞・助演女優賞・映画部門作品賞・映画部門脚本賞

その他受賞歴
英国アカデミー賞・放送映画批評家協会賞・全米映画俳優組合賞・全米監督協会賞 等

賞が多すぎてどれがすごいのかわからない….」という方はこちら!
 👉 映画賞ってどれがすごいの?

ロン・ハワード監督の別作品

映画監督:ロン・ハワード ※「監督」としての作品を抜粋
・2018年:ハン・ソロ/スターウォーズストーリー(監督)
・2015年:メイド・イン・アメリカ(監督/製作)
・2009年:天使と悪魔(監督)
・2009年:フロスト×ニクソン(監督/製作)
・2009年:天使と悪魔(監督)
・2006年:ダヴィンチ・コード(監督)
・2005年:シンデレラ・マン(監督/製作)
・2004年:ミッシング(監督/製作)
2002年:ビューティフル・マインド(監督/製作)
・2000年:エドtv(監督/製作)
・1997年:身代金(監督)
・1995年:アポロ13(監督)
・1995年:ザ・ペーパー(監督)
・1992年:遥かなる大地へ(監督/製作/原案)
・1991年:バックドラフト(監督)
・1989年:バックマン家の人々(監督/原案)
・1988年:ウィロー(監督)
・1985年:コクーン(監督)
・1984年:スプラッシュ(監督)
・1983年:ラブINニューヨーク(監督)
・1980年:バニシング in TURBO(監督/脚本/出演)
・1984年:スプラッシュ(監督)
・1983年:ラブINニューヨーク(監督)

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