映画『タイタンズを忘れない』あらすじ・解説・レビュー

こんな方へ
・気持ちを奮え立たせたい人
・何かを変えたいと思っている人
・前に進む勇気がほしい人
〔 こんな方は控えてください… 〕
・スポ根が嫌いな人(結構根性論が入っています)
本サイトでは気分や目的別にカテゴリー分けをして作品をご紹介してします。他の作品も是非ご覧下さい

作品情報・あらすじ
- 作品名(原題):タイタンズを忘れない(REMEMBER THE TITANS)
- 制作年度:1992年
- 上映時間:114分
- 監督(制作国):ボアズ・イェーキン(アメリカ)
- 主な受賞歴:ー
白人と黒人の混成フットボールチームが残した実話
舞台は、1970年代のアメリカ・ヴァージニア州。
公民権法施行(人種差別を禁ずる法律:1964年)の実施直後だったが、未だに街には黒人に対する差別意識が残っている。
そんな時、差別化を緩和する第一歩として白人・黒人の統合学校「T・C・ウィリアムズ高校」が誕生した。
それに伴い、白人と黒人の混成フットボールチーム「タイタンズ」ができたことが物語の始まりだった。
主人公は、タイタンズで新たにヘッドコーチを任された「ハーマン・ブーン」。もともと、タイタンズは白人の選手やコーチでできたいたことや、新コーチのブーン自身が黒人だったことから街を巻き込んだ大きな衝突が起こる。
まずはチーム内での衝突を解決するために、ブーンは特別合宿を計画するのだが…..
本作「タイタンズを忘れない」は、ヴァージニア州の州立高校に実在するチームを元にした真実の物語。純粋無垢な若者達の成長が、街を巻き込み問題を解決していく姿を描いています。
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解説・レビュー ※ネタバレ含む
大人になって失ったもの
本作の魅力は何と言っても、純粋無垢な心を持つ青年達が生み出す無限のパワー。
感情を隠さず出し合うことで前に進んでいく姿と、人種差別にも打ち勝つ美しい友情は、実話なだけに心に響きます。

しかし、ここで思うのは「憧れる!カッコ良い!」ということよりも、「(大人になった)自分は、この熱い心をいつ失ったのか?」ということ。
青年達の姿に共感できるのは、彼らが世界を変えるようなスーパーヒーローなわけでもなく、特殊な力も持った戦士でもない。心をありのままに表現しているだけの、誰しもが昔はそうだったようなごく普通の青年達だからなのではないでしょうか。
私は今年で30歳になりますが、自分のあり方にすごくわだかまりを感じています。
良いことは良い、悪いことは悪いと思う。
思ったことは口にする。互いにぶつけあうことで解決に向かう。
どんなに小さなものであろうが、自分の中に持っている信念だけは曲げずに戦う。
子供の時は何も考えずに自然とできていたことが、大人になりいつの間にかできなくなってしまったのです。
いつから、周りの空気に身を委ねるようになったのか。
いつから、自分を正当化して他者の声に耳を貸さなくなったのか。
いつから、ずるいと思っていたことを平気でできるようになったのか
子供の時とは違い、守るものができたから?
それとも、環境が変わり周囲と同じように自分も適応しなければいけなくなったから?
あるがままに好きなことだけをやっても生きていけないと気づいたから?
もちろん、ずっと子供心のままでいることが正しいこととは思いません。
子供と大人では環境も違うし責任が違う。課されるルールも厳しくなります。
毎日のように押し寄せる変化や荒波に呑まれないように、いつの間にか本当に大切なものとそうでないことの区別がつかず失っていくのでしょう。
しかし、本作を見て思うことは、本気で前に向かおうとする姿、障壁と純粋に向き合う姿は何にも変えられないということ。
私たちは社会に出ることで、何を得て、何を失ったのか。
自身のあり方に愛想をつかせていた自分自身でも「少し頑張ってみよう」と思えるような、熱くも優しい作品です。
人の心は環境に支配される
では、元々は憎しみあっていた彼らを変えたのは何でしょうか。
当然、彼らの残した功績や行いは賞賛されるべきことです。
しかし、決してタイタンズのチームメイト全員が”特別”な存在であるわけではありません。

街の大人たちにはなくて、タイタンズにはあったもの。
それは、心から本気で夢中になれるもの持っていたことではないでしょうか。
つまり、白人黒人関係なく、チームとして持つべき”共通の目標”です。
チームで勝ち進むこと、それが人種差別よりも遥かに尊く、優先すべきことであったがために彼ら”強い”人間で入れたのです。
良くも悪くも、人の心は環境に支配されます。
そして些細な感情の揺れにより私たちは行動を簡単に変えてしまいます。
噓をつきたくて噓をついている人はいません。
人が噓をつくのは、噓をつかかざるを得ない環境の中にいるからです。
いじめたくて誰かをいじめている人もいません。
クラスの中でいじめが起きるのは、賛同しない自分がいじめられるという環境の中にいるからです。
悲しくも、私たちの行動を司っているものは「意思」よりも「環境」なのです。
そして、感情と行動のギャップに苦しみ続ける。
環境を変えたらいいじゃん!
となりますが、守るべきものや家族がある以上は簡単に環境を変えれるわけでもない。
もちろん、ブーンコーチのように、どんな環境にも屈せずに苦境に立ち向かえる人間もいます。しかし、そんな強い意思を持てる人は少数です。
大事なのは、自分を知るということ。
一番の罪は、与えられた環境の中で周囲に溶け込むことが”当たり前”だと自分自身が納得してしまうこと。
その瞬間、罪悪感すらも芽生えずに自分の”意思”そのものが本当に支配されてしまいます。
過去から学ぶ
最後に、最も印象的だったシーンをご紹介します。

コーチのブーンはいつまでも溝を埋められないチームメイトにあることを伝えるため、南北戦争の多くの兵士が命を落とした地へと選手達を連れて行きます。
下記は、憎しみ合うことの愚かさを伝えるために、ブーンは言葉だけでなく、視覚や空気感、五感全てを使ってチームメイトたちにあることを伝えます。
Anybody know what this place is?
http://aoki.com/etc/78news/68recommend/remember_the_titans.html
ここを知っているか?
This is Gettysburg.
ゲティスバーグ
This is where they fought the Battle of Gettysburg.
南北戦争の決戦場だ
50,000 men died right here on this field,
5万人の人間がこの場所で死んだ
fightin‘ the same fight that we’re still fightin‘ amongst ourselves today.
同じ戦いを、我々はまだ続けている。今もだ
This green field right here was painted red.
この緑の野が赤く染まった。
Bubbling with the blood of young boys.
若者の流した血で
Smoke and hot lead pouring right through their bodies.
煙と鉛の弾が彼らに降り注いだ
Listen to their souls, men.
死者の声がする
”I killed my brother with malice in my heart. ”
“敵意が兄弟を殺させた”
”Hat red destroyed my family.”
“憎しみが家族を破壊した”
You listen
聞け
and you take a lesson from the dead.
死者から学べ
If we don’t come together right now, on this hallowed ground then we, too, will be destroyed.
この聖なる地でひとつになれなければ、我々も終わる
Just like they were.
彼らと同じだ
I don’t care if you like each other or not, but you will respect each other,
お互い嫌いでも、相手を認めれば
and maybe I don’t know, maybe we’ll learn to play this game like men.
きっと、いつの日か人として向き合える
過去起きている事実から愚かさを学ぶこと。
本作に限らず、私たち全員に言えることですね。
映画に留めておくには勿体無い、一人一人が学ぶためにも大切なことが詰まっている作品です。是非、大切な方やご家族、子供たちと一緒に本作を見てください。
受賞歴
ー
その他受賞歴
BETアワード最優秀男優賞・NAACP Image Award for Outstanding Motion Picture 等
賞が多すぎてどれがすごいのかわからない….」という方はこちら!
👉 映画賞ってどれがすごいの?
ボアズ・イェーキン監督の別作品
映画監督:ボアズ・イェーキン
・2004年:アップダウン・ガールズ(監督/製作総指揮)
・2002年:幸せ色のルビー(監督/脚本)
・2001年:タイタンズを忘れない(監督)
・1995年:フレッシュ(監督/脚本)
「そもそも映画作りに誰が一番重要なの?」という方はこちら!
👉 映画作りのキーマンは誰?
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