映画『ウォルト・ディズニーの約束』あらすじ・解説・レビュー

こんな方へ
・人間関係で悩んでいる人
・過去にトラウマを持っている人
・家族で優しい映画を見たい人
〔 こんな方は控えてください… 〕
・派手なディズニー映画が好きな人
※ファンタジー系の映画ではありません。
本サイトでは気分や目的別にカテゴリー分けをして作品をご紹介してします。他の作品も是非ご覧下さい

作品情報・あらすじ
- 作品名(原題):ウォルト・ディズニーの約束(SAVING MR. BANKS)
- 制作年度:2013年
- 上映時間:126分
- 監督(制作国):ジョン・リー・ハンコック(アメリカ)
- 主な受賞歴:ー
原作者とウォルト・ディズニーによる『メリー・ポピンズ』誕生秘話
これは、ウォルト・ディズニーとパメラ・トラヴァースが不動の名作『メリー・ポピンズ』を映画化するまでの裏物語。
時は1961年、主人公は『メリー・ポピンズ』の”原作者”パメラ・トラヴァース。「メリー・ポピンズで一世を風靡した作家パメラも、次のヒット作を生み出せず金銭難に見舞われていた。
そんな時、目についたのが20年間もずっと追いかけられ続けた「メリー・ポピンズ映画化」の依頼。しかも、依頼先は何とあのウォルト・ディズニーからだった。ウォルトディズニーは幼かった娘がメリーポピンズを読み感動していたことから、映画化することを決めていたのだ。
何も知らない他者の手に自作を汚されることが嫌だったパメラはその依頼を断り続けてきたが、大切にしている家の意地資金さえもなくなってしまったことで、この話を”検討”するためにウォルトディズニーに会いに行くのだった。
ようやく映画化の一歩が踏み出せたと思ったら、パメラは映画化権を託す契約書にサインせずに制作の工程をチェックし始めるのだった。
しかも、その指導は常軌を逸したもの。何から何まで細かくダメ出し、ディズニー自慢のスタッフたちも頭を悩ました。
なぜ、彼女はここまで頑なに映画化を拒むのか?
愉快で楽しい物語「メリー・ポピンズ」。その裏側にはパメラの辛く、忘れられない想いがあった….
本作『ウォルトディズニーの約束』では、世の中に希望や夢を与えてくれる”エンターテイナー”達の苦悩や葛藤が隠れています。普段私たちが見ることのできない製作者側の想いを垣間見ることで、メリーポピンズだけでなく他の作品も魅力まで引き立てられる一作です。
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解説・レビュー ※ネタバレ含む
大人になっても、人は子供心を永遠に忘れない

「大人とは何か?」
あなたは考えたことがありますか?
異常なまでに常に不機嫌で人を遠ざけ、自分の考えを微塵も変えようとしないパメラ。
何が彼女をそこまで臆病にさせたのか?
それは、パメラの幼少期と映画「メリー・ポピンズ」の制作過程を並行して描くことで紐解かれていきます。
ズバリ、その原因は「最も敬愛していた父親」との強烈な体験にあります。
壮大な夢を描き、いつも笑顔で子供達に接してくれた気さくな父親。まだほんの5−6歳の幼少時代のパメラにとって、そんな父親は特別な存在でした。
しかし、その背景には、仕事がうまくいかずに会社からは敬遠され、アルコール中毒から抜け出せなくなるもう一人の父親の姿がありました。一家の主が支柱としてなり立たなくなった矢先、家庭は崩壊に向け走り始めます。
子供の前ではいつも気さくに振る舞い、みっともない姿は隠していた父親もやがてその姿を隠せなくなります。また、どんなに家庭に従事しても理解してもらえない母親は全てが嫌になり自殺を図ります。
幼いながらに起きていたことを理解していたパメラは、誰も救えなかった自分を大人になってもずっと攻め続けているのです。
名作「メリーポピンズ」はそんな彼女の悲痛な経験を裏返し、美しい物語として描かれた作品。
つまり、パメラの中では、登場人物の一人一人が実在した身近な人間達であり、あるべき姿として描写されたものなのです。
彼女が最も激高したのが、製作陣が登場人物を単純に面白ろおかしくした時や、ただの悪者として描こうとした時。( 伝えてもいないのに汲み取る方が難しいですが… )
銀行をクビになりアルコール中毒で亡くなった父親も、パメラにとってはたった一人の大切な父親です。
何も知らない赤の他人が自分の大切な存在を否定することを許せなかったのでしょう。最も敬愛する存在を否定されることは、自分の人生そのものを否定されることと一緒なのです。
初めの問題提起に戻ります。
「大人とは何か?」
本作を見て感じることは、大人とは単なる「大きな子供」にしか過ぎないということです。
どんなに身体が大きくなろうと、どんなに技術や知識を得ようとも、人間の根本を司っているのは”感情”であり、その感情は”子供時代の経験”により形成されます。
実際に、他のインタビューの中でウォルトはこう話しています。
「私は、6歳の子供でも60歳の大人でも心の中に持っている子供心に響く映画を作っている。どんなに悪い大人でも、無邪気さを捨ててしまってはいない。たとえ、心の奥深くに押し込んでしまっているとしてもだ」
本作の表紙にも、それが体現されていますね。

社会に出て様々な人と接しなければいけない時に「なぜこの人はこんなことを言うのだろう。」「なぜこんな行動をするのだろう。」と、相手のことが到底理解できないと思うことありませんか?
どんな相手でも、すべての行動には必ず理由があります。
しかし、本質的な原因は身近なところに隠れているわけではなく、もっと奥深く過去の経験や感情に根付いているのかもしれません。
作中の最後に、ウォルトがパメラに語りかけます。
「どうか私に、あなたの大切なメリー・ポピンズを託してほしい。失望はさせない。この映画を観る人は理解する英国でも 米国でもバンクス氏が救われたことを。誰もが彼のことを好きになり涙を流すだろう。彼が職を失う姿に心を痛める。そして彼が凧をあげると誰もが嬉しく思い一緒に歌うだろう。世界中の映画館でこの先何世代もの子供達や親たちが。バンクス氏を称え続けていく」
素敵ですね。パメラがウォルトに心を許した瞬間です。
相手のことを本質から理解し想いやることで、相手の理解を引き出しています。
自分の思い通りにいかないときはついつい感情的になってしまいますが、本作は「相手のことを想いやることの大切さ」が伝わってくる作品です。
ウォルト・ディズニーのこだわり
つづいて、世界最高のエンターテイナー、ウォルト・ディズニーについて

多くの名作を生み出し、ついには夢の国を作ることで世界中の人々に夢と希望を与えてきたウォルト・ディズニー。
映画「メリー・ポピンズ」でも同様に、きっと多くの人がこの映画を見て幸せになり、救われたことでしょう。作中、ウォルトは言います。
「我々物語を創る者は想像力で悲しみを癒やす。そして人々に尽きせぬ希望を与える。」
非常に深い言葉ですね。
世界一の「エンターテイナー」とも呼べるウォルト・ディズニーは如何にしてこのような偉業を成し遂げてきたのでしょう。本作には、彼が世界的な偉業を成し遂げるために持っていた拘りがいくつか隠れています。
■家族を大切にする
そもそも、メリーポピンズの映画化を決めたのも、娘からの頼みの一言が発端。
20年間にわたりパメラが断り続ける一方、娘との「約束」を守るまでウォルトは永遠に追い続けます。最も近くにいる人たちの幸せを作ることが、世界中の人々の幸せを作ることに繋がるということを実行しています。
■じっとしていられない性格で、とにかく行動的
パメラが病的だと言うほどとに、とにかくウォルトは行動的であることは有名な話です。どんな立場になろうとも、自分が動くことを徹底することで想像力を養っているのでしょう。
■決めたことは絶対に曲げない超のつく頑固者
頑固者のパメラに頭を悩ませたウォルトですが、頑固度で言ったらウォルトも決して負けていません。物腰こそ柔らかい人物ですが、結果的にメリー・ポピンズを映画化させたように、自分の決めたことは絶対に押し通します。ちなみに、本作の中で髭を生やすか否かで揉めていたバンクス氏ですが、結局髭が生えています。結局全てウォルトの思い通りに進めているわけですね•••

4.「理想の姿」に対する徹底的な配慮
ウォルトはヘビースモーカーですが、人前でタバコを吸うことを徹底して嫌っていたようです。彼がタバコをするときはオフィスに人を入れないぐらいです。夢の国ディズニー・ランドにゴミがなかったり外の景色が見えなかったりするのも、たとえ現実は違っても、彼が「理想の姿」を表現することへの徹底した拘りを持っているからなのです。
ウォルトのことをもっと深く知ることで、一つ一つの作品の根深さもわかりより魅力的なものになってきます。是非、制作側の背景を知ることで作品をより深く楽しんでください!
「ウォルト・ディズニーの約束」関連映像
ここでは、本作に関連する動画をいくつかご紹介します。
特典映像;エマ・トンプソン インタビュー
特典映像;トム・ハンクス インタビュー
特典映像;ウォルトが愛した音楽が蘇る
映画メリー・ポピンズ「2ペンスを鳩に」
如何でしたか?
製作者の想いや背景を知ることで作品の価値は格段と上がります。
知れば知るほど映画の魅力は深まりますので、本作に限らず是非その背景を調べた上で楽しむことも試してみてください!
受賞歴
ー
その他受賞歴 エンパイア賞 最優秀女優賞 等
賞が多すぎてどれがすごいのかわからない….」という方はこちら! 👉 映画賞ってどれがすごいの?
ジョン・リー・ハンコック監督の別作品
映画監督:ジョン・リー・ハンコック
・2017年:ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密(監督)
・2014年:ウォルト・ディズニーの約束(監督)
・2010年:しあわせの隠れ場所(監督/脚本)
・2004年:アラモ(監督/脚本)
・2003年:オールド・ルーキー(監督)
「そもそも映画作りに誰が一番重要なの?」という方はこちら! 👉 映画作りのキーマンは誰?
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